見えない毛ばり（その後）:気付けばシーズンイン目前じゃないの！

2017年03月01日

気付けばシーズンイン目前じゃないの！

なかなか更新出来ませんねえ・・・このBlogも。

シーズンオフになったらボチボチ書こうと思っていたら、いつの間にか解禁目前じゃないの・・・（＾＾；

それでも、身体は季節の移り変わりを自然と感じているようで、ちゃんと春先のフライの準備は進んでおりましたよ。
自分でもちょっとびっくりしておりますが（笑）

虫たちが挙って動き出し水面を賑やかし始める迄の一時は、渓魚達の口に入る虫の数も種類も少ないので結構シビアな釣りが要求される場面がままあります。

元来ズボラで面倒くさがりやな僕もこの時期は結構毛ばりに気を遣うのです。

流れの緩やかなプールの尻でユスリカを吸い込む小さなライズに始まりもう少し上の流れが解けるあたりに流下するコカゲロウ、そして流心突き破って飛び出すオオクマのハッチまで、ほんの短い季節の中での釣りシーンの移り変わりにこの釣りの面白さが凝縮されている気がします。
ライズを見つけるたびにドキドキする、僕の一番好きな季節がやって来ます。

3月初め・・・。
年によってはまだ残雪が川岸に残る頃、僕は春の陽にキラキラ輝く川面を眺めて小さなライズを探しています。
プールの尻あたりでわずかに起こる恥ずかしそうなライズはきっと極小の虫を捕食しているんでしょう。
空中にはユスリカの小さな群れが舞い始めています。

【この時期は間違いなくユスリカの釣り】
TMC508#22～#24 ボディカラーはオリーブ
オリーブユスリカアダルト

【その手抜きパターン】
TMC508#22～#24　ボディは黒のスレッドのみの簡単パターン
ユスリカアダルト24

ところが、明らかに水面下での捕食と見て取れるディンプルしかないこともあります。そんな時に使うのがフローティングピューパよ
【水面下のライズにフローティングピューパ】
TMC２１２Y#17
ユスリカピューパ赤

赤いのやこれや色々と

この時期、もっと大事なフライがクロカワゲラです。早い時期から雪の上や石の周りを這い回っているのが見つかります。僕的にはこの時期一番活躍するフライです。
【早春のヒーローはクロカワゲラ】
TMC212Y#17　杉坂研治さんのパターンをTMCに巻いています。
クロカワゲラのパターンは色々巻いたけどこのパターンが一番使いやすい。
クロカワゲラ2902028

３月も半ばに入ると体力を取り戻したヤマメは瀬脇に移動して流下するコカゲロウを積極的に捕食し出す。風に吹かれて水面を転げまわるシロハラのダンやスピナーフォールが見られるのもこの時期。ライズがあってもダンパターンに反応しないときは流れの弛みに目を凝らしてみよう小さなシロハラのスピナーが緩い流れに溜まっているかも知れない。こんな時はスピナーパターンが力を発揮するのだ明らかにスピナーだけを偏食している場合が良くあるのだ。
【シロハラコカゲロウのダンパターン】

TMC103BL#17　この針大好き
シロハラダン雌

シロハラと言う位だからお腹が白い。どちらかと言えばグレーっぽいのだけど雌は割とオリーブがかってたり黄色っぽかったりするね。

コカゲロウの類は黄色っぽいのが多かったりするから、それほど種に拘る必要は無いと思うのが僕の思いだけど、シロハラとフタバだけは何故かタイイングに拘ってしまうのです(笑)

【シロハラだからお腹は白っぽい】

TMC103BL#17

特にオスは白っぽいよね。

【スピナーパターン雌】

TMC103BL#17

【スピナーパターン雄】

TMC902BL#18

シロハラのオスは良く見るんだけどそれほど食われてはいないかもしれないですね。やっぱり卵を抱えた雌のほうが旨いらしい。

コカゲロウの類ってもかなりの種類があるけどイメージとして取っておきたいのはやっぱり黄色やクリーム系です。

万能系としてボックスには入れておきます。

【コカゲロウ類代表パターン(笑)】

TMC103BL#17　このハックルパターンは島崎了さんのパターンだけどシルエットが良く結構お気に入りです。

３月も終わりになるころから４月にかけて、某ダム下流の両岸を葦に囲まれた急な流れから大きなフラブが流れを割って現れる。

オオクママダラのハッチが始まった。流れに乗ったダンは羽ばたく前に手ぐすね引いて待っていたヤマメの餌食になるのだ。

【オオクマのメスは体節のカラーリングが綺麗でわかりやすい】

TMC102Y#11

【雄はニンフをそのまま大きくしたような色で至って地味】

TMC102Y#11

フローティングニンフのほうがアピールする時も多いので忘れずフライボックスには入れておく。

【オオクママダラのフローティングニンフ】

TMC212Y#11

同じころ某ダムの上流ではマエグロヒメフタオの羽化があって大量のスピナーが石の上や水面に溢れてくる。陸上羽化のこのメイフライ特有の状況が川岸辺りに見られる。

陸上羽化で有ることもあり、この虫に乱舞する魚も見たこともないけれど印象的なのでフライボックスに忍ばせてある。

【マエグロヒメフタオの雄のスピナー】

TMC102Y#13

マエグロヒメフタオのハッチとそれに乱舞するヤマメの姿ほど印象的なものは無い。陸上羽化と言うこともあって、そうそう捕食される場面が多いわけでは無いにしろ、羽化時に風にあおられて川に落ちたダンを捕食するヤマメの狂乱ぶりは凄まじい。

あの忌まわしい原発事故で今は立ち入れなくなった僕のホームリバー、毎年毎年その日を目当てに通ったものだが今は空しい。

【マエグロヒメフタオの雌パターン】

TMC103BL#11

最近はこのパターンが好き、流れの強さによってCDCのパターンやソラックスのパターンを使い分けている。

４月になると里川も虫たちで賑やかになって楽しい季節がやってくる。ガガンボも大事なパターンなので忘れるべからず。

【ガガンボ】

TMC103BL#17　ウイングの角度とCDCがキモかな

いわきの某河川の上流域に小さなブラックカディスが現れるのもこの時期、ほんの短い時期なのだが川岸の木の葉っぱの裏側にびっしりと張り付いている。

【マルツツとかカクツツとかの極小黒カディスのイミテート】

TMC531#18

流れの緩いプールで流れ出し付近からポツポツと水面に現れるとそれをヤマメたちは見逃さない。こんなところに魚いたっけ？と思うような場所で次々に現れるライズリングが鼓動を早めるのだ。

フタバコカゲロウが羽化すると他のフライには見向きもしないのでこれこそ春先の必須フライとなっているのです。

【フタバコカゲロウは双葉のように開いた翅とテイルが印象的】

TMC902BL#18

僕の早春の必須フライを並べてみた。

僕のフライは結構虫の個別種を意識して巻いているので、凄くイミテートに拘っているように思われるかもしれないけれど実はそんなことは無いのです。

僕がタイイングで重要視しているのはシルエットと動き、そしてサイズくらいです。そして最も大事なのは自分がこれなら釣れるっていう自信を持つこと。

春先のように魚たちが餌となる虫たちをそれほど学習していない時期は、どうしても偏食する確率が高くなりがちで、それに伴って釣り自体も難しくなるのでどうしてもメイフライの個別種を意識したタイイングになってしまうのです。シャックしか食わないなんてこともありますからね。

僕はこの時期のシビアな釣りが大好きで、それこそ偏食するヤマメを相手にあれこれフライを取り換えながら正解を導き出した時の喜びが、この釣りを続けてきた一つの大事なファクターなのでしょう。

実際の虫に近づけたり遠ざけたりしながらこれは釣れると自分が思い込めるフライを用意する。これが結果として自分の釣りを良くする秘訣だと思っています。

実際のところそこそこ虫っぽければ魚は釣れる訳だけど、まあ一手間っていうかね、塩鮭焼いたら大根おろし付けるとか、市販のカレールーにガラムマサラ足してみるとか・・ね。

自己満足で釣れると信じ込むのが何より大事よこの釣りは。(笑)

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Posted by 老眼親父 at 20:36│Comments(3) │フライタイイング

この記事へのコメント

　
　川あらば川を観る　雨の日は毛鉤を巻く．．．で御座います。

Posted by boodoodeedee at 2017年03月17日 19:18

boodoodeedee＞山あれば山を観る…とな

Posted by 老眼親父

at 2017年03月09日 13:02

　こんばんは。
　
　春夏秋冬　あしたもよろし　ゆふべもよろし

Posted by boodoodeedee at 2017年03月07日 18:35

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